2014年第2回定例会一般質問

 
1.国保証取り上げについて
2.子ども・子育て新制度について
3.学童クラブについて
4.特別養護老人ホームについて
5.公共工事設計労務単価の引き上げ・公契約条例の制定について
6.まちづくりについて〜「外環の2」
7.まちづくりについて〜関越高架下活用について

 

 1.国保証取り上げについて


【やくし辰哉議員】
  私は4月の区議会議員補欠選挙では、区民の皆さんから、くらしや福祉を守ってほしいという願いを託され区議会へ送り出していただいたと思っています。

 この間、「国保証がなく病院に行けない」「安心して子育てしたい」などたくさんの声を聴き、区政に弱者の声を届けていく決意です。26歳の若輩ではありますが、よろしくお願いします。

 はじめに、区長の基本姿勢について3点うかがいます。
 第一に、練馬区が保険料滞納者に対して行っている、国民健康保険証の取り上げについてです。

 消費税増税や非正規雇用の拡大など、悪政のもとで貧困と格差が増大しています。全日本民主医療機関連合会は、昨年1年間で経済的理由により受診が遅れ死亡した事例が全国で57件にのぼり、そのうち国民健康保険料の滞納のために保険証を取り上げられるなど無保険状態にあった人が32人という調査結果を発表しました。

 練馬区では、保険証を取り上げられた資格証世帯が、この2月時点で4,863世帯もいます。幸い死者は出ていませんが、例えば50代の男性は会社を辞めて以来、収入が生活保護基準以下で滞納した保険料が払える状態でなかったため、右半身に異常を感じていたが医者にかかることができないため我慢し、とうとう足をひきずり右手指先は血が通わない状態まで重症になってしまいました。

 また、就学前の子を持つ一人親は、交通事故で働けず保険料を滞納してしまい、区から「月1万円の分割で払え。できなければ保険証を取り上げ資格証にする」と脅迫まがいに言われ、自殺も頭に浮かぶほど持病の鬱が悪化してしまったなど、国保法で決められた特別の事情があるのに、強権的に保険証を取り上げられ、病気を悪化させるという例が少なくありません。

 今や、国民の命と健康を守る医療を保障すべき国民健康保険が国民の命を奪い、病気を悪化させるということになっていると言えます。
 区はまず、貧困と格差が深刻になる今、改めて保険証取り上げを見直す意思があるかどうか、ご答弁を求めます。

【齊藤区民部長】
 国民健康保険制度は、保険料を被保険者に負担していただくことにより成り立っております、従って、負担の公平性の確保という観点からも、着実に保険料を収納していくことが重要であります。

 未納の保険料を放置することは、保険料を納付している被保険者からの信頼を損なうばかりか、更なる未納額の増大につながります。従って、未納者に対して早期に納付相談を働きかけ、継続できる納付方法についての話し合いを行うこととしております。

 また、納付相談の機会を確保するため、納期限から1年を経過した未納の保険料があり、納付相談に一向に応じようとしない世帯、あるいは納付相談で取り決めた納付方法を履行しない世帯に対しては、法令等に基づき、被保険者証の返還を求め、代わりに被保険者資格証明書を交付しております。
 被保険者証の返還につきましては、保険料の納付を促す法令上の有効な方法であり、引き続き、実施してまいります。

【やくし辰哉議員】
 区は、2012年の9月議会で、資格証世帯ゼロのため「着実な保険料収納対策を」と答弁されましたが、それが2005年の国の大号令で始まった滞納処分、強権的な取り上げの強化であることは、この間の結果をみれば明らかです。

 それまで2,000世帯だった資格証世帯は2007年に約3,800世帯、さらに今年14年の2月には4,863世帯です。また強権的を象徴する差し押さえ件数は、それまで2ケタだったのが2012年度には893件と驚くべき急増です。その結果、収納率はどうなったでしょうか。現年分と滞納繰り越し分を合わせて、毎年70%代後半で上下する状況で、明確に上昇したとは言えません。滞納処理は効果なく、残されたのは生活困窮者などの暮らし破壊と肉体的精神的苦痛の悪化です。

 もう一つの強権的取り上げの問題ですが、区は資格証対象者への特別の事情の有無確認について、保険証返還請求の書類に対して連絡のあった世帯には確認しており、他は行っておらず、世帯数もわからないと述べています。これは国民健康保険法第9条の「特別の事情があると認められる場合を除き…保険証返還を求める」という規定に明確に反しています。

 区は、これを法律違反と認めているのかどうか。また特別の事情確認なしで返還を求めることは可能というのなら、その根拠を国の法令で示すこと。以上2点、ご答弁ください。

【齊藤区民部長】
 「特別な事情」につきましては、国民健康保険法施行規則により、世帯主の届け出が義務付けられており、区では、被保険者証の返還を求める前提として、「特別な事情」がある場合には届け出るよう促しております。
 また、災害、病気、事業の廃止など被保険者資格証明書を交付しない「特別な事情」があると区として判断するためには、滞納者が納付相談に応じ、その事情や生活状況等を明確にしていただく必要があります。
 従って、現行の取り扱いについては、適正なものと考えております。

【やくし辰哉議員】
 もともと保険証の取り上げは、医療を受ける権利を奪うものです。それは憲法でいう生存権を奪うもので、まさに人権侵害であり、侵害を受けた人の命にかかわる問題です。

 区は、滞納は国保の財源を蔑ろにするものと言いますが、命にかかわる問題をお金と並んで論じることはできません。また、保険料を払っている世帯と比べ不公平だという人もいますが、福祉や教育の施策のように、国民に負担をかける場合、弱者に対するセーフティラインを決めることは行政の当然の責任です。

 地方自治法でいわれているように、自治体の役割は「住民の福祉の増進を図ること」が基本です。国保の役割は国民の命と健康を守ることであり、強権的なやり方で死まで追い込むのは、どんな理由があろうと許されません。自治体のあり方として、この姿勢、心の差が各区の資格証世帯数にでていると思われます。資格証世帯が多いことは区民にとって恥ずかしいことではないでしょうか。

 資格証発行は「払えるのに払わない」悪質な場合に限り、保険証取り上げは止めるよう強く求めます。ご答弁ください。

 国保の財政悪化と国保料高騰を招いている元凶は、国の予算削減です。国は1984年に国庫負担を大幅に削減し、1984年度の50%から2008年度には24%に半減しています。一方、国保料は20年間に2倍近く値上げし、滞納世帯が大きく増えるという悪循環を続けています。

 地方自治体は、国の悪政の下請機関であってはなりません。自治体のあり方が問われています。国いいなりに差し押さえなどの「収納対策の強化」に乗り出すのではなく、住民の生活実態をよく聞き、親身に対応する相談・収納活動に転換すべきです。生活困窮者に対する機械的な国保証の取り上げをやめ、住民の医療保障を最優先にすることを求めます。

【齊藤区民部長】
 督促や催告、電話や訪問による納付案内等、区からの再三の働きかけにも全く反応がないなど、「特別な事情」があるとは判断できない世帯に対して交付するものであり、機械的に交付しているものではありません。

 なお、納付相談では、生活実態等を丁寧に聴取し、滞納している保険料の一括納付が困難な状況であれば一定の条件の範囲での分割納付などの対応をしております。

 いずれにいたしましても、多額の保険料の滞納を放置することは、国民保険制度を揺るがすことにもなりかねません。今後も、公平で適切な収納対策に努めてまいります。

 2.子ども・子育て新制度について


【やくし辰哉議員】
  第二に、子ども・子育て新制度と、関連する保育園、学童クラブについて伺います。その1は、子ども・子育て新制度についてです。

 政府は、就学前の教育・保育のあり方を大きく変える「子ども・子育て支援新制度」の本格実施を来年4月に強行しようとしています。この1年、内閣府の「子ども・子育て会議」で制度や事業の内容、基準などの検討作業が進められてきましたが、会議では「現行基準より下回るのでは」との疑念が相次いでいます。

 新制度は「量の拡充」「質の改善」を打ち出していますが、制度発足前からすでに財源が4,000億円不足し、保育士の処遇改善や質の改善は財源確保の見通しもなく破たんは明らかです。

 また、保育時間の区分認定における実態の乖離と矛盾、利用者負担の増加、園庭や給食設備の基準緩和など「子育て会議」でも懸念された問題がそのまま残され、政省令案に盛り込まれているなど重大な欠陥をはらんでいます。

 一方、昨年9月より、練馬区でも子ども・子育て会議が行われています。会議では、国の「基本指針」にまったく触れず、保育園・学童クラブ保護者団体や区立保育関係者は除かれた形で進められています。認可保育園や幼稚園、認定子ども園がどうあるべきか、現状と意義も確認されていません。

「子ども・子育て支援事業計画」と整備目標など「量の見込み」に関する計画づくりが議論の中心で、子どもにとって、就学前の時期が人格形成の基礎を培う重要なものであり、子どもの最善の利益を考慮するという共通認識がないと言わざるを得ません。「質の高い認可保育園を増やして、待機児をなくしてほしい」という区民の声は会議に反映されていないのです。

 このように、国でも練馬区でも、議論も準備も周知もまったく不十分な中、新制度を強行し、保育園、幼稚園の現行水準を引き下げることは許されません。施行は凍結すべきと国に要請し、区としても延期の決断をすべきです。答弁を求めます。

【河口教育長】
 はじめに、子ども・子育て新制度の施行についてであります。
 新制度は、国内で急増する保育所待機児童や質・量ともに確保が急務になっている子育て支援の現状等を踏まえ、消費税の引き上げ分を安定した恒久財源として確保し、子育て支援サービスの充実を図ることを目的として平成27年度から全国一斉に導入されるものであります。

 区ではこれまで、長期計画や次世代育成支援行動計画を策定し、保育サービスの充実や子育て家庭への支援などに着実に取り組んでまいりました。しかしながら、社会経済状況に伴って急速に変化するニーズに、迅速かつ多面的に対応するための安定した財源確保が課題でありました。

 また、本区で昨年実施した、保護者に対するニーズ調査の結果からも、子育て施策に対する要望や期待がきわめて高いことから、新制度の実施により区の子育て支援策の拡充を図る必要があると考えております。現在、検討を進めている子ども・子育て支援事業計画を今年度中に策定し、新制度の平成27年4月の本格実施に向け着実に準備を進めてまいります。

 練馬区子ども・子育て会議につきましては、認可保育所や認証保育所の施設長を含めた子育て支援事業関係者や、サービスの対象となる子どもを持つ保護者等を構成員として、これまでに5回開催し鋭意協議を進めており、幅広いご意見をいただいているところであります。

 区民への周知につきましても、会議やニーズの調査の結果の公開を行っております。今後も子ども・子育て支援事業計画策定時のパブリックコメントの実施などを通じた周知を図りながら区民の意見を反映させ、質・量ともに充実したサービスが提供できるよう努めてまいります。

【やくし辰哉議員】 
 その2は、認可保育園の待機児解消に向けての取り組みについてです。
 今年4月の保育所待機児童は、認可保育園に入れなかった子どもが1,073人と昨年の1,241人よりは若干減ったものの、依然として千人を超えています。このうち、認可外にもどこにも入れなかった子どもは487人、当初の想定より187人多い結果となりました。

 区は、どこにも入れなかった487人への対策をどのようにお考えか、お聞きします。
 また、今予算で認可園13園1,080人を含む1,300人の定員拡大で来年4月に保育園待機児ゼロをめざすと表明していますが、来年度も想定を超えて希望者が増加した場合、待機児ゼロの目標に支障が出てくるのではありませんか。

 また、新しい区長のもとで、待機児解消はこれまで通り認可園を中心に据えた方針を継承していくことを強く求めます。2点、答弁を求めます。

【河口教育長】
 区では昨年度754人の保育所定員拡大を行いました。その結果、本年4月の待機児童数は昨年の578人より91人減少いたしましたが、当初想定していた300人程度には至らず、487人でありました。

 この原因は、入園申込者数の増加とともに、0歳児の待機児童の増加によるものと分析しています。保育施設への入所が叶わず、待機となった児童の保護者に対しましては、認証保育所等の認可外保育施設に加え、今年の夏までに開設予定の保育施設の利用をご案内するなど、丁寧な対応を行ってまいります。

 また、本年度における1,300人規模の保育所定員の拡大は、その八割について私立認可保育所を誘致して整備することとしておりますが、本年度並の申込者数の増加を加味いたしましても、待機児童の解消を図れるものと見込んでおります。

 区といたしましては、認可保育所の増設ばかりではなく、認可外保育施設をはじめ、認定こども園や私立幼稚園における預かり保育等の総合的な取り組みにより、待機児童の解消に取り組んでまいります。また、幼保一元化につきましても、本区にふさわしい方策を実施するべく、関係団体と協議してまいります。

 3.学童クラブについて


【やくし辰哉議員】
 その3は、学童クラブと全児童対策についてです。
 学童クラブでも同様に、この4月、27施設で174人の待機児童が生じています。
 今年度は在籍実績が4,066人と昨年より110人増えていますが、「受入れ上限」を引き上げて、定員を471名も超過し「詰め込み」を行っているため、子どもたちの生活環境はより厳しくなっています。

 児童福祉法に規定する学童クラブは、共働き・ひとり親家庭等の小学生に「適切な遊びおよび生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業」です。そのため、「専用室」「専用指導員」「入所申込みして毎日利用する子どもたち」という3つの条件が保障されなければその役割が果たせません。

 ところが、練馬区では、待機児解消を口実に、事実上の学童保育解体ともいえる全児童対策に学童保育を吸収し廃止する議論を始めています。

 全児童対策は、学童クラブを学校応援団が運営するひろば事業と一体化し、学童クラブ機能付きの委託事業として運営するものですが、目的と役割、対象とする児童、指導員の専門性、利用時間と活動が異なる事業を一体化するべきではありません。

 全児童対策を行っている自治体では、定員の廃止で待機児という概念はなくなる一方、学童クラブ登録の子どもは増え続け、1年から6年生の全学年を対象に、学童登録児童が120名以上、一般登録も200人を超えるなど大規模化がすすんでいます。防げるはずのけがや事故が急増し、鬼ごっこなどいくつもの遊びが禁止になり、配慮を必要とする障害児や虐待など困難を抱える子どもへの対応も行き届かなくなるなど深刻な問題も起きています。職員も責任者以外はすべて非正規など、指導員の身分の不安定化や人員確保の困難を招き、これらのしわ寄せは子どもが受けることになります。

 このような問題の多い全児童対策の検討はただちに見直し、学童保育の制度と水準を堅持し、学童クラブ施設の増設で「詰め込み」と待機児を解消するとともに、学校応援団との連携で子どもの安全と放課後生活の充実を図るべきです。答弁を求めます。

【河口教育長】
 学童クラブにつきましては、近年の保育園入園児の急増の影響とともに、児童福祉法の改正により小学校高学年まで入所対象が拡大されたことに伴い、今後大幅な需要の増加が見込まれております。

 しかしながら、小学校の教室を学童クラブ室に転用することや学校敷地内に施設を整備することによって、全ての需要に対応していくことは困難であります。

 一方で、学童クラブの待機児童対策だけではなく、保護者の就労の有無に関わらない、すべての児童が、安全・安心で、充実した放課後生活を送ることができるようにすることが求められています。

 区といたしましては、一般児童の放課後の居場所作り事業と学童クラブ事業を一体的に実施する、いわゆる全児童対策もその有力な対応策と考えており、具体化に向けて検討を進めてまいります。

 4.特別養護老人ホームについて


【やくし辰哉議員】
  第三に特別養護老人ホームについてうかがいます。
特養ホームへ入所を希望しても、入所できずにいる高齢者は全国で約52万4千人(2013年時点)にのぼります。

 練馬区でも待機者は約2,600人で、2004年からの10年間に179人も増えています。しかも、10年間のうち6年間は前年より増加しており、減っているのは3年間だけです。

 一方要介護者数は2005年から2013年の間、毎年平均で1019人も増え、今後も増加傾向にあります。この1割の人が申し込めば毎年102人、2割が申し込めば204人も増えることになり、現状のままでは待機者が積み重なっていくだけです。

 ところが練馬区は、2004年〜13年の定員増は634人で、年平均63.4人にとどまり、長期計画最終年の今年度に整備する施設は、2施設100床です。その結果、計画達成に148床も不足し、現在確保している用地は学校給食調理場跡地のみです。最大の問題は毎年の定員増の極端な少なさにあるのです。

 区長は選挙中、親の介護の際、特養に入所できなかった苦労を発言されていますが、高齢者や家族の苦労を実感されているのであれば、待機者解消のためあらゆる手立てを緊急に講じることが今こそ求められているのではありませんか。

来年から5年間の長期計画で、毎年数百人規模で定員を増やし待機者解消をはかるべきです。その計画達成のためには、もっと土地の確保など必要な段取りを思い切って拡大して取り組むことが不可欠です。お答えください。

【中田福祉部長】
 区では、これまで特別養護老人ホームの整備を着実に進めた結果、本年6月1日現在、26施設、定員1,814人と23区では施設数第1位、定員数第2位となる水準に達しております。

 また、本年3月にまとめました高齢者基礎調査によると、待機者が特別養護老人ホームを申し込んだ理由の第1位は、「将来の介護に不安を感じるため」となっており、さらに、在宅介護サービスが充実した場合、待機者の半数近くが住み慣れた在宅生活を希望すると答えております。

 第6期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定のあたっては、地域包括ケアシステムの構築を目指し、特別養護老人ホームの整備だけでなく、介護サービス全体のバランスを考慮した施策を推進してまいります。

【やくし辰哉議員】
  今日の異常事態を生み出した根本には、この間政府が強行してきた特養建設への国庫補助の一般財源化や、施設費への国の負担を事実上妨げる政策と東京都の用地費補助廃止があります。まさに特養大増設に背を向け続けている政府や都の失政がもたらした結果であることは明らかですが、だからといって自治体として「死ぬまで特養に入れないかもしれない」など悲鳴に近い待機者の状況をおろそかにするべきではありません。

 今、特養整備が介護保険料値上げにつながる意見がありますが、サービス供給量が保険料に反映されるのであり、在宅も施設も同じです。それを口実に整備に抑制をかけることは、待機者の深刻な実態からみて許されることではありません。正すべきは国の抑制方針です。国や都に対し、国庫補助など公的支出を元に戻すよう強く求めるべきです。お答えください。
    
【中田福祉部長】
 東京都においては施設整備費の基準単価として、ユニット型の場合、一床あたり500万円の補助があり、運営費としても現在一施設平均1,200万円の補助があります。

 また、区においても、一床あたり210万円の整備費補助を行っているところです。国庫の支出につきましては、これまでにも区長会を通じての要望などを行ってまいりましたが、制度改正に伴う新たな枠組みを把握したうえで、東京都の補助への国からの一部負担なども含め、必要な財源が確保されるよう、適切に対応してまいります。

【やくし辰哉議員】
 さらに安倍内閣は「医療・介護推進法案」で特養入所対象を原則「要介護3以上」に限定し、「要介護1〜2」の高齢者は入所希望すらできず「待機者」の対象からも除外しようとしています。

 これは「要介護3」に進行するまで待て、と高齢者の健康状態と生活機能の悪化を迫るに等しい、非人間的なやり方であり、断固として反対すべきです。答弁を求めます。

【中田福祉部長】
 特別養護老人ホームの入所者を中重度要介護者に限定することについてであります。

 現在、練馬区民の特別養護老人ホームへの入所者のうち約91%が要介護度3以上の方となっております。国の法改正案では、軽度の要介護者であっても認知症状がある場合などには、入所が認められる特例もあることから、大きな影響はないと考えております。

 今後、定期巡回随時対応型訪問介護看護サービスなどの充実に努め、在宅で安心して暮らし続けておける仕組みづくりに努めてまいります。

 5.公共工事設計労務単価の引き上げ・公契約条例の制定について


【やくし辰哉議員】
  次に公共工事設計労務単価の引き上げについてうかがいます。

 建設業では、全産業の平均を約26%も下回る給与水準の低さや、最低限の福利厚生であり法令により加入義務のある社会保険等に未加入の企業が多いなどの理由で若年層が建設業への入職を避ける傾向があり、技能労働者が減少しています。

 その結果、労働需給のひっ迫傾向が顕在化しつつあります。いま適切な対策を講じなければ、近い将来、災害対応やインフラの維持・更新に支障を及ぼす恐れがあります。

 建設労働者に対する適切な賃金の支払は、建設産業全体の喫緊の課題です。これらを背景に、国土交通省は設計労務単価を2013年4月に平均約15%引上げ、2014年2月からはさらに平均約7%引上げました。

 練馬区においても、工事の品質確保と技能労働者の適切な賃金水準確保の観点から、設計労務単価の引き上げを行い、旧労務単価を適用して予定価格を積算した工事については、特例措置として新労務単価に基づく契約金額へ変更を行い、2013年4月の引き上げ時には特例措置により37件で約1億3千2百万円の増額が行われました。

 国土交通省は毎年、公共事業に従事する労働者の賃金の支払い実態の調査を行っています。調査結果は公表されていませんが、14年2月からの設計労務単価が引き上げられていることから、賃金の動向は上向いているのではないかと推測されています。

 しかし、設計労務単価引き上げ後に5か所の区発注の現場で働く労働者へ行われたアンケート調査では約7割が賃金は横ばいのままであると回答しています。結局、労務単価を引き上げても労働者の賃上げにつながっていないのではないでしょうか。区はこういった実態に対しどういった認識でしょうか。ご答弁ください。

【横野総務部長】
 設計労務単価についてであります。技能労働者の賃金動向について国は、平成25年10月に、全国で1,1980件の公共事業に従事した約11万人の建設労働者等に対する、賃金の支払い実態を調査しており、この調査に基づき、労働市場の実勢価格を適切・迅速に反映するため、26年2月に設計労務単価の引上げを実施しております。

 このことから、25年4月の設計労務単価改定以降、賃金水準は上昇していると考えており、今後もこの傾向は続くと予測しております。

【やくし辰哉議員】
 国交省は設計労務単価引上げにあたり、自治体に対して受注者に社会保険料相当額の適切な支払いを指導するとともに、その支払状況を確認することを要請しています。

 練馬区はこれまで、民間事業者の賃金等の労働条件についての監督権限を有していないため、区内の建設関連産業に従事する技能労働者の実態調査は行わないとしてきました。

 しかし、台東区では、公契約のもとで働く労働者の労働環境の実態把握や労働環境の改善のため、「台東区が発注する契約に係る労働環境の確認に関する要綱」を制定し、業務が適正な労働環境の下に行われているかを最低賃金、保険加入、労働時間などの項目を含む「労働環境報告書」で確認を行っています。

 多額の税金が投入されているのに、適正に使われているのかわからないということにはなりません。また設計労務単価見直しの趣旨を踏まえれば、練馬区でも実態の把握を行うべきです。

 また、公契約条例の制定など労働環境の改善に必要な措置の検討を行うべきではありませんか。ご答弁ください。

【横野総務部長】
 実態調査についてですが、国は、昨年10月に実施したと同様の調査を今後も定期的に実施し、それに基づき、設計労務単価のさらなる改定等、必要な措置を講ずるとのことであります。従って、区において同趣旨の調査を重ねて実施することは考えておりません。

 次に、公契約条例についてであります。
 民間事業者の従業員の賃金や労働時間等の労働条件は、地方自治体の条例ではなく法律で定めるべきものであり、また、その実効性についても、労働基準局や労働基準監督署等、事業者の労働条件について監視・監督する権限を有する国の機関により担保する制度となっており、区は、監督権限を有しておりません。

 従って、公契約条例を制定して民間事業者の労働条件に介入することは考えておりません。区としては、発注した業務が、労働関係法の遵守を含め適法に実施されることを担保するため、指定管理者施設における労務環境調査や、業務委託における労務管理体制の確認などの取組みを実施しております。

 さらに、賃金の不当な切り下げにつながるおそれのある低価格受注を防止するために、最低制限価格制度の適正な運用やプロポーザルでの事業者選定などの方策も実施しております。今後も、これらの方策を通じて、労働環境の維持改善に努めてまいります。

 6.まちづくりについて〜「外環の2」


【やくし辰哉議員】
  次にまちづくりについて2点うかがいます。第一に、「外環の2」についてです。

 東京都は、5月14日に地下を通る外環道本線の地上部に計画されている街路「外環の2」について練馬区内の3キロ区間を2車線、幅員22mとして建設する方針を発表しました。これは現在、武蔵野市や杉並区で都市計画の廃止を含めて住民との間で検討されているもとで、それを無視して練馬区だけを切り離し、22m道路建設を既成事実化するものであり、許されるものではありません。

 同時に出された「練馬区における外環の地上部街路についての意見に対する都の見解」では、説明会などではほとんど聞かれなかった賛成意見を前面に出し、都の見解は、道路の必要性を並べ立てるだけです。立ち退きを迫られる人の不安や地域、学区域が分断される問題、そのことでの交通事故の心配、自然豊かな石神井公園の生態系への影響、莫大な税金投入の問題など多くの問題が住民から出されていますが、東京都はこうした反対意見に対して正面からは応えず黙殺しています。

 区民の不安や、疑問に応えることなく、関係区市の検討がされているもとで建設ありきの拙速な進め方は許されません。練馬区としても東京都の事業だからと情報提供だけをしていれば責任を果たせるわけではありません。区民の切実な声に寄り添い、問題の解決がなければ建設は許さないという立場に立つべきです。区として今度の方針の撤回を求めるべきです。

 また、もともと外環道は地下に建設するから、地上部には迷惑をかけないと約束していたのに、約400棟が立ち退きを強いられ、約320億円もかけて建設するのに、区長は迷惑がかかっていないと考えているのでしょうか。2点お答えください。

【前川区長】
 都市計画道路は、区民の生活に欠くことのできない都市基盤ですが、区内の整備率は、23区の平均を大きく下回っています。必要な道路は着実に整備すべきであり、とりわけ西部地域の南北道路の整備が急務となっております。外環の2は、南北交通の円滑化に資するとともに、環境面、防災面の観点からも重要な都市計画道路であります。

 区は、本年2月、区民意見反映制度に基づき寄せられた意見を踏まえ、「今後の取組方針」を策定し、都に対して、都市計画の取り扱いを明確にした上で、早期に整備を図るよう要請いたしました。

 本年5月、都が「都市計画に関する方針」を公表したことについては、区の要請を踏まえたものと評価しており、都に撤回を求める考えはありません。

【宮下都市整備部長】
 私から、外環の2についてお答えします。
 都は、必要性やあり方などについて、広く意見を聴きながら検討を進め、先月、「都市計画に関する方針」を公表しました。今後は、素案説明会やオープンハウスをあわせて9回開催するなど、地域住民等の意見を聴きながら、都市計画変更の手続きを進めるとしております。

 区としては、都市計画決定権者である都が、これらの取組を通じて責任を持って対応する段階であると認識しております。
 道路整備により移転を余儀なくされる関係権利者の生活再建については、迅速かつ適切な対応を行うよう、都に要請をしております。
 今後も、都と連携して区民の意見を聴きながら、整備促進に取り組んでまいります。

 7.まちづくりについて〜関越高架下活用について


【やくし辰哉議員】
  第二に、関越高架下活用についてお聴きします。
 区は高架下の活用について、住民・施設利用者等の意見を聞きながら施設整備内容を検討するとして、施設ごとに4つの部会に分け、公募区民を含めた各10名の委員で施設建設懇談会を設置して1年かけて検討を進めてきました。そして、このほど、その検討内容を取りまとめ、住民向けの説明会が開催されました。

 ところが、住民・施設利用者等の意見を検討したと言いながら、開催された説明会では賛成派、反対派の双方から怒号が飛び交うような状況でした。これではとても住民合意ができているとは言えません。

 ある町会長さんは施設建設懇談会について、委員に応募したが採用されなかったとしたうえで、私たちも希望し、区からも町会へ説明をしたいとの申し出があったにもかかわらず、結局、区からの説明はいまだにないとして、沿道住民の声は何一つ取り入られていないと話しています。

 また懇談会の委員からも、区から委員に応募するように要請があったと話しており、懇談会の中身も区から報告を承認することがほとんどで、とても意見を言えるような雰囲気ではなかったとしています。意図的に委員を組織し、区の方針を追認するように仕向けていたのではないかと疑問を持たざるを得ません。

 区はこういった状況で住民合意が図られていると考えていますか。ご答弁ください。

 住民の意見という意味では、日本高速道路保有・債務返済機構がおこなったパブリックコメントも重要です。このパブコメは全体の234中233筆が反対や見直しを求めるもので、この間、住民とネクスコとの懇談の中でネクスコは、パブコメの結果について区に対してどう検討し、受け止めたのか、申請時にその説明を求めるとしています。区としてどう説明しようと考えていますか。お答えください。

 区の計画と国交省が示した高架下の占用基準にもいくつかの齟齬が指摘されています。
 例えば、最低約30〜50mごとの横断場所を確保することや橋脚と施設の間は1.5m開けることとされていますが、区もネクスコも明確に答えられていません。

 現状ではとても住民合意が得られているとは言えず、懇談会そのものの在り方にも疑問を持たざる得ない状況の中で、計画を強行することは許されません。計画自体についても国交省の考え方と大きな隔たりがあり、場合によっては除却しなければならないなど、問題点の多い計画は直ちに見直すべきです。答弁を求めます。

【中村企画部長】
 関越自動車道高架下の活用についてお答えいたします。
 まず、説明を希望されている町会に対しては、日程をお知らせいただけるよう、区から3回ご連絡していますが、未だ日程調整のご連絡をいただいていない状況にあります。

 次に、施設建設懇談会におきましては、各委員から、施設の整備内容について、きめ細かくご意見・要望をいただくとともに、施設運営や近隣の住環境への配慮等、多様な観点から、大変活発にご議論いただいたものと考えております。

 これらのご意見を踏まえて、区として望ましい整備内容について取りまとめ、5月の住民説明会において区民にご説明し、さらにご意見をお聞きしたところであります。

 なお、住民説明会では、会の円滑な進行にご協力いただけなかった一部の方に対し、他の参加者から発言時間遵守を求めるご指摘はあったものの、区からの説明や参加者の各意見に対しては、真摯に耳を傾けていただいていたものと受け止めております。
 これまでも、検討の進捗状況に応じて、住民説明会を延べ5回開催し、区民のご意見をお聞きしてまいりました。

 また、随時お寄せいただいている近隣住民の方のご要望に対しましても、区の考え方をご説明するなど、機会を捉えて区民のご意見をお伺いしてまいりました。

 このような様々な機会を通じて区民からいただいた意見については、住環境への配慮など可能な限り設計案に反映していることを、許可権者等の求めに応じて、十分に説明してまいります。

 関越自動車道高架下の活用に関しましては、平成23年10月に区の活用計画の早期実現を求める陳情書が区議会で採択いただいており、区民の代表である区議会のご判断は、区民の意向を反映したものであると認識しております。

 次に、施設の整備内容につきましては、占用許可に係る各種法令や基準を踏まえて検討し、取りまとめたものであります。
 高架下への施設整備につきましては、多くの地域の皆さまから、早期の整備の実現に関するご要望をいただいており、引き続き、沿道住民をはじめとする区民の皆様に丁寧にご説明し、ご理解をいただきながら、沿道の住環境に十分配慮した、より良い施設整備に努めてまいります。

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やくし辰哉プロフィール

●1988年3月19日 香川県高松市に生まれる
●東京経済大学経営学部卒業
●平成26年4月20日 区議補欠選挙にて初当選を果たす。環境まちづくり委員会、医療・高齢者等特別委員会に所属
●練馬区東大泉6丁目在住
●趣味はサイクリング、映画鑑賞、読書
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